2026年4月に施行される**「労働施策総合推進法」**の改正は、主に多様な働き手の保護と活躍支援を目的としています。

特に大きなトピックは、「治療と仕事の両立支援」の努力義務化ですが、関連する女性活躍推進法などの改正も同時に進むため、企業の実務への影響は多岐にわたります。

主なポイントを整理しました。


1. 労働施策総合推進法の主な改正内容

① 治療と仕事の両立支援(2026年4月1日施行)

病気(がん、難病など)を抱える労働者が、治療を続けながら仕事を継続できるよう、**事業主に対して必要な体制整備等の「努力義務」**が課されます。

  • 義務の内容: 労働者からの相談に応じ、適切に対応するための体制整備(相談窓口の設置や柔軟な勤務制度の検討など)。

  • 国の役割: 厚生労働大臣が、事業主が講ずべき措置の指針(ガイドライン)を策定します。


② ハラスメント対策の強化(順次施行)

労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)の枠組みの中で、以下の対策が強化されます。

  • カスタマーハラスメント(カスハラ)対策: 顧客等からの著しい迷惑行為への対策が義務化されます(※施行は2026年10月1日の見込み)。

  • 求職者へのセクハラ防止: 採用選考中の学生やインターン生に対するセクハラ防止措置が義務化されます(※同じく2026年10月施行予定)。


2. 併せて対応が必要な関連法の改正(2026年4月〜)

2026年4月には、労働施策総合推進法と密接に関わる以下の改正も施行されます。

法案名改正のポイント
女性活躍推進法情報公表の義務拡大:常時雇用する労働者が101人以上の企業に対し、「男女の賃金の差異」および「女性管理職比率」の公表が義務化されます。
女性活躍推進法有効期限の延長:2026年3月末までだった法律の期限が、さらに10年間(2036年3月末まで)延長されます。
障害者雇用促進法法定雇用率の引き上げ:2026年7月より、法定雇用率が**2.7%**に引き上げられます(対象企業は従業員37.5人以上)。

3. 企業が準備すべきこと

改正に向けて、人事労務担当者は以下の準備を進める必要があります。

  • 両立支援の規定づくり: 治療と仕事の両立に関する社内規程の整備や、相談窓口の周知。

  • ハラスメント方針の見直し: カスハラや求職者へのセクハラを「許さない」という姿勢を社外(HPやポスター)および社内規定に反映。

  • データ収集のシステム化: 101人以上の企業は、男女間賃金格差などの数値を正確に算出・公表できる体制を整える。

注意点

カスハラ対策の「義務化」自体は2026年10月からとなる見込みですが、4月の「両立支援」の努力義務化と合わせて、2026年度の大きな方針転換としてセットで対応を進める企業が増えています。